2021年「年頭所感」 東北住建株式会社 社長 及川 秀貴
新年明けましておめでとうございます。旧年中のご支援、ご高配に心から御礼申し上げます。そして本年も倍旧のお引き立てがいただけますよう伏してお願い申し上げます。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は社会、経済活動に甚大な影響を及ぼしています。依然として事態の行方は予断を許さない状況が続いていますが、感染拡大防止に最優先で取り組み、影響を最小限に抑えられるよう努めて参ります。
コロナショックは、「ソーシャルディスタンスの確保」「3密の回避」「テレワーク」など、我々に「新しい生活様式」の実践を迫り、あらゆる産業に大きな変化をもたらしています。住生活の面においても、今後は様々な変化が進んでいくものと思います。
その一つとして、抗菌・抗ウイルス機能を持った建材の開発が一段と進みます。ただし、ここで重要なのは、採用を考える際には、認定機関から正しく認定されたもの、若しくは第三者機関によるエビデンスが取れているものを選ぶという事です。
そもそも、細菌とウイルスはどちらも人に感染症を引き起こす微生物ですが、その特徴は異なります。細菌は、小さな生き物で、エサとなる栄養と一定の環境が整えば、自分と同じ細胞をコピーして増殖します。大腸菌やサルモネラ菌、黄色ブドウ球菌などが有名です。
一方ウイルスは、細菌よりもっと小さく、その大きさは細菌の50分の1程度で、一般的に生物に分類されません。遺伝子とそれを包むタンパク質の殻で構成されている粒子です。細胞が存在しないので自ら増殖することはできませんが、他の生きた細胞に寄生することで増殖します。
また、抗菌と抗ウイルスも違います。抗菌の建材で最初に着目されたのは「手すり」です。当時の手すりには既に抗菌性能がありましたが、ウイルスには効果がないため、抗ウイルスに関しては別の研究が必要でした。開発者は「手すりの素材となる樹脂に練り込む薬剤も、抗菌と抗ウイルスでは全く異なる。樹脂との相性を見ながら高い抗ウイルス効果を持たせるにはどうしたら良いか、また手すりの変色や持続性、コストパフォーマンスなど様々な角度からの検証が必要だった」と語っています。
抗ウイルス建材は、2016年辺りから実用化されます。そのほとんどは「光触媒でウイルスの表面の膜を分解し、活性化できない様にする」というメカニズムで、室内の明かりでも効果を発揮する溶剤を塗布しています。この時に表面が汚れていると抗ウイルス効果が十分に発揮できないので、普段のお手入れが大切になってきます。また、対応年数があるものは、再度復活できるのか、効果はそこで終わるのかを確認する必要があります。
ここにきて、消石灰を主原料としている漆喰の効果も注目されています。飛沫が漆喰の表面に付着すると飛沫の水分によって消石灰が溶け、漆喰の表面が強アルカリ性になりウイルスのタンパク質が変性されるメカニズムです。多孔質の漆喰自体が菌やウイルスを吸着しやすいことも抗菌・抗ウイルスの効果をアップさせています。また、銀イオン、銅イオンは独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)、米国環境保護庁(EPA)でコロナウイルスに殺菌作用のある製品リストに入っています。
換気の重要性も再認識されています。住宅で24時間換気以外の排気を必要と考える際には、通風、排気装置等で24時間換気のバランスを崩さずに計画することが大切です。その際は是非、弊社にご相談下さい。
非常時では新たなステージへの大転換が短時間で起こりやすいとも言われます。弊社では、この非連続な時代への変化にしっかりと対応し、必要な商材を国内外問わず集め皆様にお届けし、正確な情報をいち早く発信していけるよう最大限の努力を続けて参ります。
結びに、皆様のご健康とご多幸を心からご祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。